相続手続きパーフェクトガイド
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相続人がいない場合

さまざまな相続に関するトラブルの対処法についてまとめてみました。このページでは、相続人がいない時のトラブルについて掲載しています。

財産相続人が不在の場合どうなってしまうのか?

被相続人に、相続人に該当する者がいない場合、相続人不在状態となります。これは、相続人となる人が既に死亡してしまった、あるいは相続人全員が相続を放棄した場合に起こりえる事象です。

被相続人に相続人がいない場合は、以下のような措置を取られます。

  • 遺言書に沿って財産を処分

    被相続人が死亡する前に、財産にまつわることを記載している場合、それに沿って処分する。

  • 家庭裁判所が相続財産管理人を選定

    遺言書がない、あるいはあったとしても一部の財産しか書いていない場合に管理するものを家庭裁判所が選定します。主に、地域の弁護士あるいは司法書士が選ばれるケースが多い。2ヵ月の間に、相続債権者受遺者の申請申出催告、相続人探索の公告を行う。2ヵ月の間に見つからなかった場合、特別縁故者あるいは身上看護者への引き渡し、余った分の財産を国庫へ帰属する。

遺産を相続してくれる人がいない場合、最終的には国庫への帰属となります。もし、誰かに自分の財産を相続させたい場合は、事前に遺言書を残しておいた方が良いです。まだ、元気なうちに法の専門家と相談をしながら遺言書を作成すれば、大切な財産の行き先を好きに決められます。

相続人がいない時の対処法

非常に珍しいですが、亡くなった被相続人に両親や兄弟、配偶者など、戸籍上で財産を相続する人間がまったくいない場合があります。

このような状態を相続人不存在とよんでいます。また、そのような状態ではないにしても、被相続人の子どもが亡くなっているなどのケースもあるのです。

こういった場合は財産相続人が不存在とされてみなされる

相続人に所定の事情がある場合、遺産相続の権利が失われてしまいます。どのようなことが遺産相続権利を失ってしまうのかをまとめてみました。

  • 相続欠格

    民法891条に定められた制度で、被相続人の意思表示を示さなくても、法律的に相続人から相続権を奪います。どのようなケースに適応されるかと言うと、相続人が被相続人の生命を脅かす、詐欺や脅迫まがいのことを働き、自身に有利となる遺言を書かせるなどの違法行為です。

  • 財産相続廃除

    相続欠格と似て非なるもの。欠格とは異なる部分が、被相続人の意思によって相続人から相続権を奪えるところ。適応されるケースは、相続人が被相続人への虐待・侮辱など心身に重大な影響を与える行為を働いた場合です。財産相続廃除の場合は、生前に行なうか遺言書で手続きを済ませられます。

  • 相続廃棄

    上記2つとは異なり、相続人自身が被相続人の遺産を放棄できます。被相続人が生前有していた負債を引き継ぎたくない場合に、拒否できる権利を相続人に与えられています。

法的な効力によって、財産相続人を不存在にさせられるのです。もし、財産を相続させたくない、あるいは自身が抱えていた負債を引き継がせたくない場合、法の力に頼るのも有効です。

相続人不存在時に気をつけておきたいこと

本来であれば相続人となるはずの人間がひとりもいない場合、または相続人となるべき人間が相続放棄を行った場合といった、相続人がひとりもいないという状況がまれに起こります。

このようなケースでは、基本的に相続財産管理人という家庭裁判所から選任をうけた人間が財産の処理を行い、代わりに相続人の捜索を行ったり、相続人不存在の確定などの手続きを行ったりします。

その後、被相続人の財産は国のものということになり、国庫に帰属することになるのです。

仮に、相続財産管理人が不存在の確定の手続きを行った後で、3か月以内に特別縁故者から申立があった場合には、国庫に帰属していた財産は家庭裁判所の判断を仰いでその縁故者にすべて、または一部分与されることになります。

ちなみに特別縁故者とは、原則として相続権のない人間のことで、「被相続人と生活などを共にしていた人」「被相続人の看護などに尽力していた人」などの条件に該当する人になります。

本来財産を引き継ぐはずだった配偶者や子どもが不幸にも亡くなってしまった場合、その子どもに息子や孫がいた場合には、相続権はその息子や孫に引き継がれます。

このような相続権のことを「代襲相続」といいます。代襲相続ができるのは直系卑属(子ども・孫・ひ孫)、もしくは傍系卑属(甥・姪)に限定されており、直系尊属(父母・祖父母・曾祖父母)や配偶者には認められません。

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財産相続人が不存在の場合の手続きは?

相続人の不在が明らかになった場合、法律に従って残された財産の管理や清算が行われます。どのような手続きを踏まえるかまとめています。

  • 相続財産管理人を選任する

    相続財産管理人は、家庭裁判所が検察官あるいは債権者・受遺者から選出申立てがあった場合に選出されます。金銭がらみのことであるため、法的にも信頼性のある弁護士か司法書士が管理人に選出されるケースが多いです。家庭裁判所側で相続人の名乗り出を促し、相続財産管理人側で2ヵ月の間に財産の保存と管理を委託します。

  • 債権者に対して債権の申立てと相続人の捜索公告

    相続財産管理人を選出して2ヵ月が経過しても、相続人が現れなかった場合、全ての利害関係人へ2ヵ月以上の期間に申出を行うよう公告します。その間に相続人が現れ、相続をする意思表示を示したら、相続財産管理・清算の手続きを廃止します。逆に、相続を拒否したら、相続放棄による相続人不存在が確定してしまいます。

  • 期限を過ぎても現れないなら財産相続分与

    相続人の不在が確定したら、相続財産管理・清算手続きが廃止されます。ただし、処分前に特別縁故者がいたら、民放958条3項に従って、相続財産の全てか一部だけを相続させられます。

      特別縁故者に該当する者
    • 内縁関係者、事実上の養子、養親、継親子、子の配偶者
    • 身上看護をしていた者
    • 特別な縁故があったもの(公益・宗教・学校法人、公共団体、福祉施設)

    分与審判が確定した時点で、相続財産管理人は上記に該当する特別縁故者へ財産を引き渡します。ただし、特別縁故者からの財産分与の申立てがない、申立てが却下された場合は、相続財産を国庫へ帰属となります。

  • 報告書を提出する

    管理財産を縁故者へ全額か一部引き渡す、あるいは国庫への帰属が確定した場合、相続財産管理人は、管理修了報告書を家庭裁判所へ提出します。正式に報告書が家庭裁判所に受理されたら、相続が完了したことになります。

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