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遺産相続手続きに欠かせない遺言書の保管法と探し方

葬儀を終えた後に遺族がするべきこと

葬儀が終わると、次に行わなければいけないのは遺言書の確認となります。遺言書の種類によって公証役場に確認をしたり、自宅を探したりとやらなければいけないことは変わってきます。

遺産の分配が終わってから遺言書が見つかると、再度遺言書に沿って遺産を分配し直す必要がでてくるため、二度手間となって争いも生まれてしまいます。

遺産の分配や遺産相続手続きに入る前は、遺言書の有無をしっかりと調べておきましょう。ここでは遺言書の有無を調べる方法について紹介していきます。

公証役場で遺言書を探す

公正証書遺言の場合は、公証役場に遺言書が保管されているため、家宅を探す必要はありません。最寄りの公証役場に問い合わせれば、遺言書の有無が確認できます。

しかし、遺言書についての問い合わせができるのは、相続人かその代理人に限られます。これは、遺言に関する秘密を守るといった理由からです。特定の相手以外には遺言書の有無が分からない仕組みとなっています。

遺言書の確認の際には、下記のものを用意して公証役場に行きましょう。

確認の際に必要なもの

  1. 被相続人が死亡したとの記載のある戸籍謄本、または除籍謄本
  2. 自分が相続人であることを証明できる戸籍謄本、および免許証などの写真付き身分証明書
  3. 自身の印鑑

これらのものを用意して公証役場に確認に行ってください。その公証役場に遺言書があれば、遺言症の写しをもらって内容を見ることができます。

なお、別の公証役場で発見された場合は、自身でその公証役場まで出向いて写しをもらいに行かなければなりません。

秘密遺言書の場合

秘密遺言書についても作成するには公証人が関与するため、公証役場に行けば遺言作成の事実の有無を判明させることができます。

ですが秘密証書遺言はあくまで「有無が分かる」だけで、遺言書そのものを公証役場で保管しているわけではありません。遺言書の中身を確認するためには自筆証明遺言と同様に自宅を探さなくてはいけません。

秘密遺言書・自筆証書遺言を探す

公証役場に問い合わせた結果、遺言書がなかったという時には、秘密遺言書や自筆証書遺言が自宅に保管されている可能性があります。

相続人や友人に預けているという場合も多いですが、よくあるパターンじゃ鍵付き書斎の引き出しや、仏壇付近にあったりすることもあります。

遺言書について相続人や友人に聞いても所在が分からない、家宅を探し回っても見つからないという時には、生前付き合いのあったと思われる関係先に問いあわてみると遺言書が見つかる可能性があります。

他にも、銀行や信託銀行に預けている場合もあるので忘れずに確認しておきましょう。自身の遺言書を隠す時には、分かりやすく鍵をかけれる場所や、普段は気付き辛い場所に隠すことを考えるでしょう。

しかし、遺族の相続手続きを考えると、相続に利害関係がない知人か、遺言作成について相談した専門家に預ける方法という方法が分かりやすいです。ただ、専門家に遺言書を預ける場合は保管料を徴収される場合も多いので、相談の際に事前に確認することが大切です。

人に預ける際に一番注意しなければいけないことは、「自身が亡くなった」という事実を確実に知ってもらう必要があるということです。

ちゃんと伝えておかないと、遺産相続手続きが終わった後で遺言書の所在が分かるといった事態になりかねません。そのような事態にならないためにも、知人や専門家に預ける際は身近な相続人達に、自分の遺言書を誰に預けたかということを知らせておきましょう。

懸念されるのは遺言書の預かり人が、急な不運で先に亡くなったケースです。預けた方が専門家であれば、そうなった場合の事後処理方法をあらかじめ指示していることがあります。

そうした点が不安であれば、銀行の貸金庫や信託会社の遺言信託サービスの利用を検討してみましょう。費用こそ少し高くなってしまいますが、法人に預けることで、そのような懸念点も解消されます。

自筆証書遺言書を見つけた時の注意点

自筆証書遺言書を見つけた時は、絶対にその場で開封してはいけません。遺言書の開封は、必ず家庭裁判所で行う「検認手続き」の上で執り行う必要があります。検認手続き以外の時に開けてしまうと、遺言書改ざんの疑いをかけられたり、処罰の対象となったりするので注意が必要です。

処罰の際は、5万円以内の罰金を払わなければならなくなる危険があります。無駄な出費や意味のない争い、争いを避けるためにも、見つけたら速やかに家庭裁判所に持ち込むようにしましょう。

また、開封してしまったからといって、遺言書の効力が無効になるというわけではありません。もし開封してしまった場合は速やかにその事情を家庭裁判所に説明し、検認手続きを行ってください。検認をせずに遺言執行することでも、罰則が適用されてしまいます。

検認について

家庭裁判所に遺言書を持ち込むと、「検認」という手続きが行われます。ここで注意しなければいけない点は、検認された=遺言は法的に有効というわけではないということです。

検認はあくまで遺言書が偽造・変造されるのを防ぐためだけのものです。遺言書に不備があるかどうかということは判断しません。

検認手続きは、遺言書と他の必要書類(検認申立書や遺言書を書いた方の、出生時から死亡時までの全部の戸籍など)必要書類を揃えて家庭裁判所に提出して行います。

書籍を提出した後は、いつごろに検認手続きを行うか家庭裁判所と話し合って決めます。決められた日に出頭するよう家庭裁判所から通知がきます。この時に通知がくるのは、基本的には相続人です。

通知を受けた人は数千円程度の手数料を持って出頭して、検認を一緒に行ってください。万一通知を送られた人が出頭できない場合でも、代理で誰かが出頭することで検認手続きは行われます。

遺言書の有無はしっかりと確認する

 検認手続きが終わったら、遺言書をコピーして相続に関係を有する人達全員に渡して把握してもらいましょう。そして、その上で遺言書の内容に従って、相続手続きを行っていかなくてはいけません。

遺言書発見からこうした手続きまで時間がかかってしまいますので、遺産相続の話に入る前に遺言書の有無をしっかりと確認しておくとスムーズに進めていくことができます。

難しい場所に隠したりすることは稀で、遺品整理の際にでてくることの方が多い遺言書ですが、見つけた際はくれぐれも開封してしまわないようにしましょう。

自宅を探し始める前に、生前に誰かに預けたと伝えられていないかということや、専門家や知人に遺言書を預かっていないかを、確認することから始めると効率の良い相続手続きが可能となります。

また、公証役場に遺言書の有無を問い合わせたところ遺言書が発見され、公証役場で遺言書の内容が確認できた場合は公正証書遺言という遺言書となり、特に検認などの手続きは必要ありません。遺言書の写しをもらったら、遺言書の内容に従って相続手続きを行っていく流れとなります。

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